小豆島には日本最大級の「天然醸造醤油蔵」があり、今でも昔ながらの醤油造りを守り続けています。

中でも、国の登録有形文化財にも指定されるマルキン醤油の醤油蔵には三百本以上の木桶を保有し、ひとつの醤油蔵としては日本一の規模を誇ります。また数ある小豆島の醤油蔵の中でも、美味しい醤油の味を決めるための熟成に欠かすことのできない種麹を独自に製造できる技術を持っていることもマルキン醤油の特徴のひとつです。 蔵の壁が黒いのは、実は醤油の味を作る菌が付着しているから。諸味(もろみ)がなくなれば消えることから、醸造家の繁栄の証と言われる、小豆島の宝なのです。

「寒い時期に仕込むことで、良い菌が醤油を育ててくれます。温かくなってから仕込んでは悪い菌がついたり、急激に発酵しすぎたりで駄目ですね。」と醤油職人さん。

寒仕込みで一年間熟成させたもろみを、丁寧に布に広げ座布団のように重ねて搾ります。火入れをしない珍しい「木桶仕込みの生醤油」をつくるには繊細なろ過が必要です。

熟成したもろみを搾り、ろ過するだけの火入れをしていない醤油ですので、鮮やかで澄んだ色味や複雑で豊かな香りと旨味がそのまま楽しめ、さらりと素材の味を活かす個性ある醤油をお楽しみ頂けます。