日向夏(ひゅうがなつ)と甘夏柑(あまなつかん)が自然交配した種が庭に落ち、たまたま発見された爪楊枝ほどの幹の小さな柑橘の苗木を長い年月をかけ大切に育て「はるか」として品種登録された希少な品種です。
少しボコボコした黄色の果皮にまぁるくポコッと飛び出た果実のお尻。レモンのような見た目のちょっと酸っぱそうな果実は、柑橘の甘さの基準となる甘味比（糖酸比）は、なんと28！（柑橘の中ではトップクラス）
酸味が少ないからこそ「コクのある爽やかな甘み」が堪能できます。

武田さんの園地のある地域は、山地がそのまま海に接する複雑で高低差のある地形が特徴。海のそばの急斜面に積み上げられた石垣の上に植えられた「はるか」は、太陽の光だけでなく、海から照り返す太陽の光、石垣から照り返す太陽の光と３つの太陽を浴びて、育ちます。

瀬戸内海最南端に位置する園地の温暖な気候は、美味しい柑橘栽培に理想的な条件の一つです。

急斜面で柑橘を育てるのは大変ですが、雨がすぐに海に流れ込むため水はけがよく、美味しい柑橘の栽培に最適な畑の水分量になります。

全国でも有数の真珠や牡蠣の産地にある園地であることを活かし、なんと牡蠣殻を畑に撒き、美味しい柑橘を栽培するのに適したミネラルとカルシウムが豊富な土づくりを行っています。

さらに「農薬の混ざった農業廃水を海に流してはいけない」との思いで、農薬は極力使わないようにし、また除草剤も使わず、夏場の大変な除草作業もすべて人の手で行い、環境に配慮すると同時に、安心・安全な柑橘栽培を行っています。

果汁は「全果式搾汁」という瞬時に果皮と果汁分が分離する製法により搾汁されます。
果汁に果皮の油分が入らないため、苦味やえぐみがなく果肉本来の風味、コク、甘みそのものの美味しさを堪能できます。
一瓶に果実をなんと1.8kg分！約10玉の「はるか」を使用しています。

はるかは収穫は12月ごろに行われ、その後、果実のひとつひとつを手作業で個袋に入れ、低温の専用貯蔵庫に入れてじっくり2か月熟成をさせます。そして熟成後はまたひとつひとつをまた小袋から手作業で出し出荷されます。そのきめ細やかな熟成管理が美味しいはるかには欠かすことができません。