大自然を生きる植物の力は本当に素晴らしいものです。オリーブにも体に良い天然成分が豊富にあり、その中でも体に良いことで知られるオリーブポリフェノールはなんとオリーブ果実油よりも葉に約10倍も多く含まれていることがわかっています。
特に驚くべきは、「ヒドロキシチロソール」や「オレウロペイン」などの強力な抗酸化成分。これらは本来、強い紫外線などのストレスからオリーブ自身が身を守るために自然に作られる成分で、自然の恵みでありながら、私たち人間にとっても動脈硬化や高血圧の予防、抗菌・抗ウイルス作用、血糖値の調整作用など様々な面で期待され、世界中で注目されています。
オリーブは数百年、数千年と生きる「長寿の樹」ですがその寿命の長さだけでなく、人の健康と長寿を支える植物としても「長寿の樹」と呼ぶにふさわしい存在なのです。

近年、美容と健康に良い食材として国内外で注目を集めるウコンも、クルクミンというポリフェノールを豊富に含む薬草として親しまれてきた植物のひとつです。
ウコンの歴史は古く、１６４６年に記された古文書『那覇由来記』には、すでに琉球王国の専売品として登場しています。資源に乏しい琉球において、ウコンは貴重な健康食材として重宝され、薩摩藩への貢ぎ物として献上された後、大阪や江戸へ渡る頃には10倍の価値になるほど、極めて高価な薬草とされていました。
ウコンは王国の専売制度のもとで、厳重に管理され、一般農民による栽培は禁止されていましたが、一部のウコンは密かに家庭へ持ち込まれ、庭先で育てられ「家庭の万能薬」として大切にされてきたといいます。

沖縄県北部の本部町や大宜味村で、除草剤や化学肥料を使わず、自然農法によってウコンを栽培している中程さん。かつて西洋医学の浸透により衰退しかけたウコン栽培を、「沖縄にはこんなに素晴らしいものがある」と見直し、父の代から再び始めました。
ウコンは収穫までに時間がかかり、土壌改良や手作業による収穫など、多くの手間が必要です。そのため、大規模生産が難しく、現代では外国産の安価なウコンが市場の90％を占めると言われています。
そんな大変希少な国産ウコンは伝統的な方法で４００年間植え継がれ、「この伝統を絶やしたくない」。と語る中程さんの手によって、今も力強く丁寧に育まれています。