“毎日ごはんをおいしく食べて、より健康になっていただきたい”
こんな想いが薬膳の知恵と重なって、「オリーブ通信」になりました!
私たちは、自然豊かな小豆島でオリーブを栽培しています。
太陽が昇り、季節が巡る中で、私たちはその変わり目を感じとりながら、自然と呼応するように手をかけていきます。そうすることで木々は育ち、実を結んでいくのです。こういった自然の摂理に基づいた“農”と“薬膳”の考え方が非常に似ていると気がつき、「オリーブ通信」としてみなさまにお届けすることになりました。どうぞ日々の健康にお役立てください。
園主 井上 智博
毎日の食事で体調を整える
「もともと中国の伝統医学には、“毎日の食事で体調を整えましょう!”といった考え方があります。ひとくちに薬膳といっても、病気や身体の不調を治すための治療食を指すこともありますが、毎日を元気で過ごすための養生食といった意味合いもあるんですよ」
とは、福岡で薬膳の学校やレストランを営む国際薬膳師の尹玉(インユイ)さん。その根底には、私たち人間も自然の中で生かされているもののひとつ。自然の変化や体調などに合わせて適切な食材を選び、また調理して食べることが大切だと説きます。この考え方はまさに農業を営む井上誠耕園の“農”の考え方と一緒です。私たち人間も自然の流れに沿って口にするものを正しく選ぶことで、健康を育むことができるのです。
食材にはそれぞれに性質がある
尹 玉さんによれば、私たちが普段口にしている食材には、栄養素のほかに薬膳の考え方に基づいた食材の性質があるとのことです。その性質とは食べた後に身体を温めるものか、冷やすものなのかといった身体に及ぼす影響だったり、甘いのか苦いのか、辛いのかという味だったりするそうです。よって食材を組み合わせることで、効果を上げたり、また抑制させたりすることもできるのです。つまり薬膳とは、季節や体質、食材の特性をふまえて作る料理のことであり、たとえ薬効食品や生薬が入っていなくても、スーパーに売ってある食材だけで十分作ることができます。
マメ知識 ~旬の食材、ご存知ですか?~
現代はハウス栽培やバイオテクノロジーの進化によって、年中問わずいろんな食材がスーパーに並ぶようになりました。しかし、自然の摂理から考えると、やはり旬の食材をいただきたいものです。まずは旬の食材は何なのかを今一度チェックしてみましょう。この時、地元、もしくは近隣ではどんな食材が作られているのか調べてみるのもいいですね。
薬膳アドバイザー国際薬膳師・尹 玉(インユイ)さん
- 薬膳アドバイザー国際薬膳師・尹 玉(インユイ)さんプロフィール
- 中国黒竜江省生まれ。
日系企業でキャリアを積んでいた時に、大病を煩ったのがきっかけで薬膳の道へ。現在は福岡で薬膳レストラン「天地・礼心」のオーナーでありながら、「東方薬膳学園」にて学院長を務める。