お久しぶりの方、初めましての方、こんにちは。井上誠耕園の広報担当・斉藤です。
このブログは、私が昨夏始めた「小豆島八十八ヶ所霊場巡り」を通して、小豆島を自分の足で歩き、祈り、改めてみつけた島の魅力をお伝えしていくささやかなブログです。
どうしてオリーブ農家がお遍路のブログを書くの?と、疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれませんので、私たちが小豆島遍路をおすすめしたい理由を最初にお話ししたいと思います。
私たちが小豆島遍路をおすすめしたい理由は、私たちが暮らす小豆島の「島じまん」をしたい!という一言に尽きます。
江戸時代から続くこの巡礼の道は、四国八十八ヶ所とほぼ同時期に完成しており、空海が厳しい修行を積んだ跡と言われています。島の人々が長い歴史の中で大切に守り育んできたこの文化は、人を癒し、励まし、心を浄化できる心地よいひと時を与えてくれ、ストレスや心の悩みを抱えがちな現代こそ、ぜひたくさんの人に知っていただきたい文化なのです。
また、巡礼を通して島を遍く巡ることで、島で暮らす人々や産業を守る家々のリアルな生き様や営みを垣間見ることができます。私たちがお届けする島の様々な産物の本当の背景を知っていただくには、この巡礼の文化を体験していただくことが一番伝わるはずと私たちは考えていて、井上誠耕園のお客様にも小豆島にぜひお越しいただき、お遍路を通して小豆島の魅力を深く知っていただきたいのです。
そんな想いもあって先日、井上誠耕園のお客様を小豆島遍路にご案内する小さなツアーを開催しました。
少人数ですが井上誠耕園のスタッフで精一杯おもてなししたいと、霊場のご住職さんたちにもご協力いただいて実施したお遍路ツアー。その第一回目の様子を今回は少しだけご紹介します!!
\お遍路日記vol.1~vol.10はこちらから▼!/
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■小豆島へようこそ!
5/21(土)、通信販売のお便りでのご案内にご応募してくださった16名のお客様が、小豆島に来てくださりました。まず始めに、井上誠耕園のお店がある「らしく本館」で園主がお迎えのご挨拶。いつもはお電話などでお客様と繋がっているので、こんなにたくさんのお客様と実際に小豆島でお会いできる機会は滅多になく、本当に嬉しくてありがたい1日でした。
■心癒されるお寺 33番「長勝寺」へ
らしく園を後にして、最初に訪れたお寺は33番札所「長勝寺」。
ご住職がご家族でいつも温かく迎えてくれる長勝寺は、私をはじめ、お遍路仲間みんながどのコースを回っても「最後にちょっと寄ろうか」と言って立ち寄って帰るほど、アットホームで大好きなお寺です。
本堂の美しさや手入れの行き届いたお庭に皆さん感動していました!!
ここで初めて、立派な本堂の中でお客様と一緒に読経。広いお堂に声が響いてとっても綺麗な読経でした。
小豆島のお寺は全て、その昔空海さんが開いた真言宗のお寺です。日本でも一番有名なお経「般若心経」は、「空」や「無」といった言葉がたくさん出てきます。私たちは日々悩み、色んなものを抱えながら生きていますが、本当はそれら全て実体のないもの。実体がないのだから心配しなくていい。小さなことに惑わされず、悩まず、生きなさい。般若心経はそんな教えのお経です。物質的な豊かさだけに囚われるのではなく、心身ともに「無」になって自分を見つめ直す、読経の間はそんな心静かな時間が流れていきます。
■オリーブの花と小豆島素麺♪
続いて向かったのは井上誠耕園のカフェ「忠左衛門」の本店。
ここには、井上誠耕園が初めて植えたオリーブの木もある始まりの畑「本園」があり、今の季節はオリーブが小さなつぼみや花をつけて風に揺れる、穏やかな景色が楽しめます。
そこで園主から少しだけ井上誠耕園とお遍路のことやオリーブのことをお話しました。オリーブも海も見えて光や風が心地よいこの場所でお客様と過ごせた時間はとても思い出に残っています!
そして昼食には小豆島のお素麺や醤油、オリーブオイルを使ったお食事をお接待!!お客様に喜んでいただけてよかったです。
小豆島は、オリーブだけでなく400年以上続く伝統産業である醤油や素麺の産地でもあります。
長い歴史の中で絶やすことなく受け継がれてきたのは、ここ小豆島で生きる人たちの営みや生き様があってこそ。そんな島の文化を少しでも知っていただくきっかけになっていると嬉しいです。
■洞窟の中で火にあたる神秘的な空間!41番「佛谷山(ぶっこくざん)」
2つ目に訪れたお寺は、小豆島特有の山の岩肌や洞窟を生かして作られた「山岳霊場」の1つである41番札所「佛谷山」。お客様をお連れしますと伝えていたら、特別に護摩を焚いてくださっていました。ありがとうございます!
洞窟の中にある本堂は、遥か昔の人が火を焚いてみんなで囲み、岩風呂(今でいうサウナのようなもの)として使って、いろんな祈祷をしたり、病気の人を癒したと言われる場所だそうです。想像するだけで歴史を感じてドキドキします!
ご住職さんのありがたいお言葉も頂戴し、心身ともに整った感じがしました。
火に当たるとなんだか心あったまります
お勤めのあとは、いよいよみんなで「歩き遍路」です。
佛谷山から、41番「西の滝」まで山道を歩きます。
金剛杖をついて少しずつ歩みを進める約15分の山登り。最初は不安がっていたお客様もいらっしゃいましたが、地面の感触や森と美味しい空気が広がる自然の豊かさを感じながら、みなさん楽しんで登り切れました!よかった~!!
■最後のお寺は一番歴史の長い山岳霊場!42番「西の滝」
歩き切った先には、42番札所の「西の滝」があります。このお寺は井上誠耕園の近くにあり、毎年園主も初詣に訪れる場所です。井上誠耕園の最初の通信販売のお客様も、西の滝に登ったお遍路さんでした。
西の滝は、反り立つ崖と一体になった山岳霊場であり、小豆島の中でも一番立派な護摩堂があります。
そこでみなさんお願い事を護摩木に書き、護摩焚きを行いました。ご自身のこと、ご家族のこと、一人ひとりのお願いごとをご住職さんが読んでくださる中で、ここにいる皆さん全員の願い事が叶って欲しいと心から思いました。
■ご参加いただいたお客様、ありがとうございました。
中には遠くからお越しいただいたお客様もいて、みなさん楽しみにしながら小豆島に来てくださったこと、とても嬉しかったです。
お遍路を始めたときから、いつか井上誠耕園のお客様をご案内できるようになりたいとずっと思っていたので、今回私は夢を一つ叶えることができました。
ご案内に対してたくさんのお電話をいただき、ご予約がいっぱいになってしまってお断りしたお客様もいらっしゃいます。申し訳ございません。
これからも、お遍路ツアーを開催していきたいと思っていますので、今回ご参加できなかった方も、ぜひまた次回お越しください。
お越しいただいたお客様、ご応募いただいたお客様、小豆島霊場のご住職さんたち、井上誠耕園の仲間たち、心から感謝しています。ありがとうございました。
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