美しい祈りの島「小豆島」で小豆島八十八ヶ所霊場を巡る旅vol.10\祝・お遍路ブログ10回！/～やっと「授戒の儀」を受けるよ編～

こんにちは。井上誠耕園の広報担当・斉藤です。
小豆島で暮らし始めて7年。この夏、ずっと気になっていた「小豆島八十八ヶ所霊場巡り」に挑戦してみることにしました。小豆島を自分の足で歩き、祈り、改めてみつけた島の魅力をお伝えしていきます。

お遍路ブログ、祝・10回を迎えました！　記念にお坊さんとパチリ。
一番最後にはプレゼントのご案内もあります。ぜひ最後までご覧ください！

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■はじまりの場所「小豆島霊場会総本院」

2日目の最後に到着したのは、「小豆島霊場会総本院」。

▲右側の建物が「小豆島霊場会総本院」　港やバス停も近くて便利！

小豆島霊場会総本院は、通称「小豆島霊場会」と呼ばれており、明治初期に霊場寺院によって組織された、巡拝のご案内や先達の事務手続きなど、小豆島霊場に関する様々な実務を執り行われている場所です。

この建物は昭和42年に、小豆島霊場御開創1150年を記念して建てられたそうです。
昭和42年というと今から54年前。
その当時既に1150年ということは、現在は小豆島霊場が開かれてから1200年もの月日が流れているということになります。
小豆島という小さな島に88もの霊場がずっと守られ続けてきたことは本当に奇跡的なこととさえ感じます。

▲入り口にはお大師様（空海さん）と般若心経が書かれた立派な看板が

▲2階の授戒道場

二階には授戒道場といって、巡拝者はここでお坊さんからの「授戒の儀（じゅかいのぎ）」という巡拝前の儀式を受けてからお遍路に出るのがならわしとされています。
（といっても、仏教に入信しなさい！というような宗教的な勧誘はありません！）

恥ずかしながら儀式を受けずに回っていた私は、この日はもう夕方だったので、また日を改めて行くことにしました。

■どっきどきの「授戒の儀」

日を改めて訪れた「小豆島霊場会総本院」。
実はこの日、ずっとお遍路を一緒に回ってくださっている先輩お遍路さんが、小豆島3巡目を結願され、晴れて「権少先達」になられるということで、その儀式に私も参加させてもらえることになりました。

▲立派な仏具が並んでいます

この日執り行ってくださったのは、普段は以前ご紹介した立派なシンパクがある「円満寺」にいるお坊さん。

▲塗香（ずこう）をもらいます

最初にハチミツのようなちょっと甘い香りがするお高そうな塗香をいただき、手を清めました。

そしてお線香やロウソクの煙に包まれる中、お坊さんがお経を唱えてくれます。

そしてありがたいお言葉も。
授戒の「戒」とは忌み嫌う「禁忌」ではなく、なるべくそうならないよう、遠ざけるよう、努力するということ。
例えば人の悪口を言ったり、憎しみを持ったり、そういった負の感情をなるべく抱かないようにすることは、努力次第で人はできる！ということです。

また、仏教の教えにこんな考え方があるそうです。
『言うこと・思うこと・行動すること、この3つを同じにしなさい』
例えば人を殴りたいと思っても、実際に言わなければいい、殴らなかったらそれでいい、ということではないということです。
なるべくそう思わないように気を付けることで、少しずつそう思わない人になり、いつも朗らかな人でいられるのだと思います。
心の中で思うことと、実際の言動では人間誰しも違いがあるかもしれません。
しかし、お坊さんからすると、この3つのうち1つでも違うことがあれば、それは地獄への片道切符を買っているようなものなのだそうです。

負の感情を全く抱かない聖人君子のような人間には私はまだまだなれませんが、この考え方を知っておくだけでも、自分を律するきっかけになるなと思いました。

■晴れて「権少先達」に！

儀式を終えると、先輩お遍路さんに霊場会の方が賞状をご用意してくれていました！

▲権少先達になられた先輩お遍路さん。
こちらまで嬉しくなる素敵な笑顔です！

小豆島霊場の場合は、3巡を終えると「権少先達」、7巡を終えると「少先達」、13巡終えると「権中先達」、17巡終えると「中先達」、21巡終えると「権大先達」といった具合に、段々パワーアップしていきます！
私もまずは「権少先達」を目指して頑張ります。

小豆島霊場会総本院には、霊場会の事務局があり、霊場会、公認団体、公認先達等に関する全ての事務が執り行われています。
一般の参拝者の方も、団体・個人をとわず、巡拝についてのいろんな相談にのってもらえるので、初めてお遍路に行かれる方は、最初に訪ねてみるのがおすすめです。
（事務局の執務時間は午前8時～午後5時です。）