美しい祈りの島「小豆島」で
小豆島八十八ヶ所霊場を巡る旅vol.1
~旅支度・出発編~

こんにちは。井上誠耕園の広報担当・斉藤です。
小豆島で暮らし始めて7年目。この夏、ずっと気になっていた「小豆島八十八ヶ所霊場巡り」に挑戦してみることにしました。小豆島を自分の足で歩き、祈り、改めてみつけた島の魅力をお伝えしていきます。

お気に入りの般若心経タオルを首にまいて、行ってきます!

■小豆島霊場の歴史

小さいようで意外と大きい小豆島。
お遍路といえば四国八十八ヶ所霊場のイメージが強いですが、実は小豆島の中にも「小豆島八十八ヶ所霊場」があるのです。
遠い昔、讃岐の国に生まれた弘法大師様(空海)が何度も小豆島に立ち寄られ、各所で祈りを捧げたと言われています。
1つの島にギュッと88か所が詰まったコンパクトな霊場ながらも、四国八十八ヶ所の霊場にはあまりない、山谷や自然の地形がそのまま生かされた山岳にそびえたつ「山岳霊場」が14か所もあります。山や海など、自然に恵まれた小豆島だからこそのスリルある道を歩む楽しさ、そしてどこを見渡しても美しい景観、船に乗って「ちょっと行ってみよう」と気軽に挑戦できるところ、何を取っても素晴らしいのが小豆島遍路です。

▲海が見える霊場がたくさんあります!

■出発前の、どきどき旅支度

お遍路にチャレンジしてみたい。
以前から小豆島霊場を巡っていると伺っていた先輩お遍路さんに相談してみたところ、快く一緒に巡っていただけることになり、さらにベテランの先達さんまでご紹介いただけることに。お遍路の右も左も分からない私にとって本当に幸運なことでした。

出発前には先輩お遍路さんが教えてくれた、古くから続くお遍路宿「旭屋旅館」さんで、読経本(お経が書かれた小さな冊子)と納札(名前や住所、願い事などを書いて各霊場にある小さな箱に納めるお札)、白衣(お遍路さんの服)を買って出発に備えました。

▲左から、納札・読経本・白衣

この旭屋旅館さん。ここに行けばお遍路道具一式揃うと聞いてはいましたが、とにかくお宿の方が優しいのです。
少し薄暗い店内に緊張しながら足を踏み入れ、勇気を出して声をかけます。

私「す、すみません。のうふだ…?が欲しいんですが…」
お宿の方「ああ、納札(おさめふだ)ね。読経本は、初めてならこれ一冊あれば大丈夫。白衣はね、肘くらいまで袖があるのと、肩までのと二つあるんだけど、どうする?」
私「(う~ん…どっちがよいのだろうか…)」
私が決めきれずに悩んでいると、きれいにビニールに包まれていた白衣を2着ともわざわざ開封して、「鏡の前で合わせてみる?」と手渡してくれました。
私「(じーん。)夏と冬で使い分けるから、どちらも買っちゃいます。」
お宿の方「ええっ!?いいのよ、無理しなくて。もしいらなかったら、後で返してもいいからね。お遍路、歩いて回るんやねえ。歩いて回ったらきっとご利益があるよ。」

と、何とも優しくて温かい言葉をかけていただき、出発前から心がほくほくになりました。
素敵な旭屋旅館さん。旅行サイトではいつも★4つを越している理由がよく分かりました。
(旭屋旅館さんは、小豆島・土庄港のすぐ近くにあります!)

■初めてのお遍路へ。いざ出発!

お遍路当日の朝、8:20。小豆島土庄町にある、私も毎週利用しているホームセンターやスーパーが集まった場所「オリーブタウン」で先輩方と待ち合わせをし、そのとき初めて先達さんにお会いしました。
 
なんて、仏様のようなお方だろう…。
第一印象でそう思いました。お遍路に何度も行っていると私もそうなれるのでしょうか。

なんだか楽しいお遍路になりそうと、ワクワクしながらついに出発です。
 
歩き始めて5分も絶たないうちに、先達さん、まさかの寄り道。
先達さん「ここ、何のお店かな。」

▲お店の方と楽しく話す先達さん
最初の寄り道のおかげで、心がほぐれました

 
そこはいつも車で通るので、私も気になっていながら入ったことがなかった、お米やさんでした。
朝早いのですが、中からお店の方が出てきてくださり、「あら、お遍路ですか。頑張ってくださいね~」と励ましてくださりました。
聞けば100年続くお米屋さんで、小豆島のお米はもちろん、各地のいろんなお米が売られているそう。お店の窓には、奥様が好きな素敵なステンドグラスが飾られています。
ステンドグラスの話、昨日奥さんがお友達とマテ貝取りに行った話など、楽しい会話を交わして元気をもらえました。今度、お米を買いに行きます!

■もしかして、幸運の持ち主かも。

再び出発してしばらく歩くと、見逃しそうな小さな目印が道端の街灯にぽつり。
実はお遍路さんの中には、自分も含め、他のお遍路さんが道に迷わないように、色んなところに目印を残してくださる方がいるのです。

▲見つけると何だかラッキー!

なんだかほっこりする可愛らしい矢印は、遍路道のいたるところにあり、見つけるとホッとします。

そしてようやく、霊場一カ所目の、第五十七番「浄源坊(じょうげんぼう)」に到着しました。
本尊子安地蔵菩薩は、子どもの欲しい方や安産を願う方にご利益があると言われ、境内には樹齢五百年のバベ(ウバメガシ)の木がある歴史ある霊場です。

▲第五十七番「浄源坊」 
写真の左の方にあるのが樹齢五百年のバベの木です

そこで奇跡が起きます。

たまたまご住職様が祈祷されており、なんと一年に一度、本来なら8月23日にしか開かないご本尊を拝ませてもらえたのです!
               
一年に一度しか拝めないご本尊を、お遍路初心者・初日の一か所目から、拝めてよいのだろうか・・・と思いつつ、恐れ多くもちゃっかりお願いごとをし、触ると自分の悪いところを治してもらえるという菩薩様の手の上の宝珠まで触らせていただきました。

▲この奥に子安地蔵菩薩様がおられます!

ご住職様は、「今日はたまたま時間が遅くなったので、どうしようかと思っていたら、いらっしゃったので、本当に偶然、良いタイミングで来られましたね」と朗らかに笑いかけてくださり、スタートからの思わぬ幸運に私のテンションも上がり、お遍路へのやる気があふれてきました。

1カ所目までで、たくさんの出会いに恵まれた私のお遍路旅。
これからまだまた、続きます。少しずつご紹介していきますので、お付き合いいただけると嬉しいです。

本件に関するお問い合わせ
井上誠耕園 広報担当 斉藤
メール:h-saito@inoueseikoen.co.jp
〒761-4301 香川県小豆郡小豆島町池田882-6
TEL:0879-75-1355
FAX:0879-75-1612
HP:https://www.inoueseikoen.co.jp