美しい祈りの島「小豆島」で
小豆島八十八ヶ所霊場を巡る旅vol.3
~見えるかな!?夏至観音編~

こんにちは。井上誠耕園の広報担当・斉藤です。
小豆島で暮らし始めて7年。この夏、ずっと気になっていた「小豆島八十八ヶ所霊場巡り」に挑戦してみることにしました。小豆島を自分の足で歩き、祈り、改めてみつけた島の魅力をお伝えしていきます。

巨大な洞窟に光が差し込むとき、ほんの数分だけ見える観音様。どうか会えますように!

■たった50日間の奇跡!夏至の頃しか見えない観音様に会いに行く!

2021年の夏至は、6月21日(月)です。
実は小豆島には、非常に珍しい観音様がおられ、その姿は夏至を挟んだ約50日間しか拝むことができないと言われています。
その「夏至観音」様が現れる場所は、小豆島八十八ヶ所霊場の第一番札所「洞雲山」。
私もぜひお目にかかりたい!ということで、早速足を運んでみることにしました。

■迫力満点な山岳霊場「洞雲山」

険しい山道を抜けて、洞雲山に到着です。最初の階段を上ると、遥か高くにある岩肌から泉に向かって水がしたたる、何とも神秘的な場所がありました。

▲も〇のけ姫に出てきそうな神秘的な泉の名前は「大師お杖の水」

そして上を向けば、青々と輝くモミジが頭上を覆っていて、「すごい、自然に包まれている!」と心が洗われるような気持ちになります。

▲新緑のパワーを感じる巨大なモミジ

▲苔むした灯ろうに趣を感じる細い道を抜けると、本堂に到着です。第一番霊場「洞雲山」

洞雲山は自然の地形がそのまま生かされてできた山岳霊場の一つ。
本堂は迫りくるように切り立った岩壁の中にあり、その迫力に圧倒されます。
洞窟のような本堂は、中に入るとひんやり澄み切った空気が流れていて、岩に囲まれる冷たさ・ありのままの自然の偉大さを全身で感じられます。

■果たして会えるのか!?夏至観音様!

観音様を見に行くうえで、心配だったのは天気でした。
というのも、夏至観音様は夏至を挟んで約50日間、15時頃からほんの数分の間しか見ることができず、さらに晴天でなくてはならないという条件があるのです。
光が強く差し込めば、日光の加減で岩肌に影が現れ、観音様の姿を見ることができるのですが、小豆島では梅雨空が続いており、見に行った当日も少し曇り空でした。

これは日頃の行いが試されるかもしれない・・・と心配しながらも観音様が拝めるスポットに行くと、すでにテレビのカメラマンさんがその時を待っていました。
聞くと何年にも渡って毎年夏至観音様を撮影しているそう。
1日数分しか見えない中でも、観音様の目まで本当にきれいに見えるのは、1日たった5秒という一瞬であることのほか、撮影に適した位置や撮影のコツなど、たくさん教えていただきました。
今日見えなくても、このお話を聞けただけでよかった!とありがたく思いながら、約束の時間を待ちました。

そして15時。息をのんでじっと見守っていると・・・

「あっ!ちょっとだけ見えますね!!」

やはり曇り空の影響で光は弱かったものの一瞬だけ光が差し込み、確かに今まではそこになかった観音様の姿が光に照らされていました。

▲わずか数分しか見ることができない「夏至観音」
光が弱くて分かりにくいので、印をつけております。

ちょっと見えにくいけど、ちゃんといらっしゃる・・・と感動しつつ、私の心の目では見えていると自分に言い聞かせ、次こそは晴天の日にまた見に来よう、と誓いました。

夏至観音様は、平成元年にたまたま写真を撮ってそのお姿に気づいた方から広まり、平成3年に「夏至観音」と名付けられ、幻想的な自然現象を楽しみに参拝に来られるお遍路さんがたくさんいます。
今年はコロナウイルスの影響で参拝客は少ないようですが、今年も変わることなく姿を見せてくださる観音様を見ると、自然からの贈り物をいただいているような健やかな気持ちになれます。

■晴天の日の夏至観音様はこちら

私が訪れた日はあいにくの曇り空でしたが、第八番札所「常光寺」の副住職であり、普段は洞雲山のすぐ近くにある第二番札所「碁石山」にいらっしゃる大林慈空さんに、とても美しい今年の夏至観音様のお写真をいただけました。(ありがとうございます!)

▲今年の6/10に撮られたお写真です。夏至観音様がくっきりと見えます!

 
錫杖(しゃくじょう)を手にしたお姿まではっきり見える、本当に素晴らしい夏至観音様です。
慈空さんのYouTubeでは、観音様が現れる前後のお姿が動画で記録されていて、見応え抜群です。
写真と文章だけでは伝えきれない洞雲山の様子もよく分かる上、優しさ溢れる住職さんのお人柄にも笑顔をもらえる動画になっています。
https://youtu.be/2cWIRvVPZnQ
(ぜひご覧ください!)

動画を見て初めて冬至の時季に月あかりによって現れる「月光観音」という仏様もいることを知りました。月光観音様は日本一珍しい仏様ということで、いつか私も見てみたいと、お遍路の楽しみがまた一つ増えました。

本件に関するお問い合わせ
井上誠耕園 広報担当 斉藤
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