美しい祈りの島「小豆島」で
小豆島八十八ヶ所霊場を巡る旅vol.2
~お遍路のお作法を学ぶ編~

こんにちは。井上誠耕園の広報担当・斉藤です。
小豆島で暮らし始めて7年目。この夏、ずっと気になっていた「小豆島八十八ヶ所霊場巡り」に挑戦してみることにしました。小豆島を自分の足で歩き、祈り、改めてみつけた島の魅力をお伝えしていきます。

祈ると何だか心すっきり。

■ここはどこ!?小豆島遍路で異国情緒漂うスポットを発見!

1か所目の「浄源坊」からしばらく歩くと、ふいに小豆島には見慣れない、何ともエキゾチックな建物が現れました。
実はここには第六十五番「光明庵」があり、この建物はその隣の第五十三番「本覚寺」の入り口にそびえ建つ「アショーカ柱頭」だったのです。

▲近くで見るとすごい迫力「アショーカ柱頭」

アショーカ柱頭は、4頭のインドライオンが背中合わせに並ぶ、インドで発見された彫刻だそう。
インドのアショーカ王が、北インド各地の仏教整地に建てたと言われる記念石柱がなんと小豆島にもあったのです。

小豆島に住んでいながら、こんな建物があることを全く知らなかった私は大興奮。
何だか異国に迷い込んだような気持ちです。

そして入り口から階段を降りると、どこかの都にタイムスリップしたかのような美しい光景が広がっていました。遠くには穏やかな海が見えます。

▲ちなみに階段を降りて、振り返るとこんな景色が!まるでアジアのリゾートのようです

そして「本覚寺」の本堂に到着しました。本堂は室町時代の様式を取り入れており、上品で落ち着いた雰囲気の素敵なお寺でした。

▲第五十三番「本覚寺」

■お遍路のお作法を学ぶ

お遍路巡りと言えば、やはり気になるのはお参りの仕方や礼儀作法ではないでしょうか。
そこで今日は先達さんから学んだ、お参りの作法を少しだけご紹介します。

霊場に着くと、入り口で一礼して境内に入り、まず手のお清めをします。
手水舎があれば、そこで手を洗えばOKですが、ないところも多いので、「塗香(ずこう)」というものがあると便利です。
手のひらにひと振りして手にすり込めば、お清め完了です。

▲小さな木の入れ物からどこか懐かしくて安心する香りの粉が出てくるところが魅力的!「塗香(ずこう)」

お寺に行けばよく見る「鐘」は、参拝の前に一度だけ鳴らします。
これはお参りに来ました、というご挨拶の意味も持つので、お参り後に鳴らしてはいけません。

▲ゴーンといい音が鳴るとちょっと嬉しい「鐘楼(しょうろう)」

そしてろうそくに火を灯し、お線香をあげます。
ろうそくは、仏様の知恵をいただくという意味があり、線香は仏様を香りでおもてなしするという意味があるそうです。

▲ろうそくの火は、必ず消して帰りましょう!

その後お賽銭を入れ、日付・名前・住所・年齢・願い事を記入した納札(おさめふだ)を納めます。

▲納札は各霊場で色んな箱が用意されています(箱の違いを見るのも楽しい!)
初めてのお遍路さんは、白い納札を使用します(一番右の写真です)

ここまで終えると、いよいよお経を読みます。

お経はここに書くと漢字だらけになってしまうので省きますが、開経偈(かいきょうげ)から始まり、般若心経(はんにゃしんぎょう)、回向文(えこうもん)など、全てを唱えるのに5分程かかります。
読経本が一冊あれば、全て書かれているので安心です。

先達さんが先導して読んでくださるのですが、お堂に響く美声にうっとりしてしまいました。
読経後は静かに手を合わせ、願い事を心の中で念じてお勤め終了です。

実は昔から般若心経を読むのを得意としていた私。
これまで長らく、誰にも披露することがありませんでしたが、お遍路に行くと1日10回以上読めるので、ここぞとばかりに張り切って読んでいます。
最初は発音が分からないお経もありましたが、1日経つと自信を持って読めるようになりました。

1日歩くと心がすっきり綺麗になったような気持ちになれるお遍路巡りの魅力に、どんどん引き込まれていく私。
また次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。

■おまけ

今の季節、小豆島にはいたるところで野生のビワが実っています。

▲先達さん「これ、おいしそうだな~」

 
行く道行く道にビワがたくさんあり、小豆島にはこんなにビワがあったのかと、歩いて初めて気づきました。
歩くからこそ気づく小豆島の自然を楽しめるのも、お遍路巡りの魅力です。

本件に関するお問い合わせ
井上誠耕園 広報担当 斉藤
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