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小豆島発のフェリーに乗って高松空港から飛行機を乗り継ぐこと約22時間。オーストラリア アデレードの地へやってきました。
目的はもちろん、2025年度の「新鮮檸檬オリーブオイル」を搾るためです。
日本では10月~11月下旬にかけて旬を迎えるオリーブですが、南半球に位置するオーストラリアでは、日本が夏を迎える今の季節に、オリーブとレモンが旬を迎えます。日本であれば今の時期に搾りたてのオイルを味わうことは叶いませんが、何とかこの暑い季節に、お客様にレモンの香りが爽やかな新鮮なオリーブオイルを味わっていただきたい。という思いで毎年オーストラリアの提携農園とともに「新鮮檸檬オリーブオイル」を搾っています。
森林と民家が続くアデレード。外気は寒くても車に乗っているだけで日焼けしてしまいそうな強い日差しを感じます。
空港から移動し、オリーブオイルの充填・パッキングを行っているオレアパック社に到着すると、さっそくオリーブ農家のエドさんと、妻のエマさんが笑顔で迎え入れてくれました。事務所では収穫を迎えたオリーブやレモンの状況など、普段からメールや電話で話し合ってきた内容も含めて改めて、直接会って確かめ合います。
今回は、より香り高い新鮮檸檬オリーブオイルを搾るために、オリーブとレモンの比率を数パターンに分けテストしてみることに。今季の新鮮檸檬オリーブオイルの味を決める大切な作業だからこそ、同じオリーブ農家として信頼のおける仲間と意見を交えながら試行錯誤を繰り返します。翌日訪れる予定のレモン畑への段取りを軽く打合せしてこの日の予定は終了です。
この日は、新鮮檸檬オリーブオイルに使用するレモンの状態を確認するために、柑橘農家のマイケルさんの畑に向かいます!
オーストラリア アデレードの中心地から内陸へ向かうこと片道3時間。レモン畑があるロクストンという町に向けてただひたすらに車を走らせます。車窓から見える景色はまるで砂漠のよう。エドさん曰く昨年の12月からまとまった雨が降っていないのだそう。
深刻な干ばつに、本来であれば緑色をしているという丘や広大な畑も一面茶褐色です。「すごく乾燥している。周りをみて分かるように、植物たちは枯れてしまっている。昨年と同じように、オリーブにとっては厳しい状況だ。」とエドさんは話します。
ようやく到着したレモン農園。車を降りるとそこには日本では見ないような大きさの樹木がそびえ立ち、見渡す限り広大な柑橘畑が広がっています。農園で迎え入れてくれたマイケルさんはこのレモン農家の4代目園主。ニコニコ笑顔が素敵な方です。
案内されたレモン畑には樹高3m以上はある立派なレモンの木が立ち並んでいます。上から下までたわわに実っているレモン。
マイケルさんはこの広大な畑を管理されているため、これ以上面積は広げるつもりはないと話します。納得できる品質を保つために日々果実と向き合うレモン農家としてのマイケルさんの情熱を感じました。
新鮮檸檬オリーブオイルに使用するオリーブは「フラントイオ」という品種です。5月下旬から収穫をスタートし、7月末ごろまで収穫が続きます。収穫を迎えたオリーブと、息を合わせたかのように旬を迎えたレモン。この2つの果実が絶妙なバランスで合わさることで実現するのが井上誠耕園の「新檸檬オリーブオイル」です。特にフレッシュなレモンの香りを引き出すために、レモンはあえて早熟の青みがかった状態で収穫します。レモン農家のマイケルさんと話し合いながらより香り高い果実を目指しています。
マイケルさんがその場でレモンを一つカットしてくれました。まだ若干青い果実を切ると爽やかなレモンの香りが瑞々しく広がります。思わず深く吸い込んでしまうような自然で心地よい香りです。長距離の移動で少し疲れていた体がシャキッとリフレッシュするような香り。今年は干ばつの影響もあり、適度に水分量が減ったことで実が引き締まり、果皮から放たれる香りがより一層濃く強くなったそうです。このレモンで新鮮檸檬オリーブオイルを搾ったら間違いなく、香り高くおいしいオリーブオイルが搾れるはず!そう思わせてくれる上質なレモンでした。
マイケルさんのレモン畑の水源はマレー・リバー国立公園を流れる「マレー川」です。「万が一、この川が干上がるようなことがあったら、私のレモン畑は立ち行かなくなるよ。」とマイケルさんは話します。
たくさんお話しを聞かせてくれたマイケルさんに別れを告げ、この日の視察は終了。明日はオリーブ畑を視察し、いよいよ新鮮檸檬オリーブオイルの搾油です!
今日はまずはじめにエドさんのオリーブ畑へ向かいます。羊や牛の牧場、オーストラリアンワインの原料となるブドウ畑が続く山道を車で走ること約1 時間。たどり着いたのは新鮮檸檬オリーブオイルに使用するフラントイオ種のオリーブが広がるオリーブ畑です。ここは昔、金の採掘場だったそうで、写真の奥に写っているのは地下の採掘場へ続く通気口なのだそう。まるでヨーロッパのようななんとも味のある雰囲気です。
フラントイオ種は辛味や香りのバランスが良く、上質なオイルが搾れる品種として知られています。収穫が始まったばかりのフラントイオ種ですが、檸檬オリーブオイルに使用するのはできる限り熟したオリーブです。オリーブの風味はもちろん、何よりレモンの爽やかな香りを際立たせるためにはオリーブの品種や熟度も重要です。
樹上に鈴なりに実るオリーブ。エドさんの畑では収穫は機械で行われ、 果実はすぐさま搾油場へと運ばれます。この工程の速さが新鮮で香り高いオリーブオイルに大きく影響しています。
続いて、待ちに待った搾油の工程へ!マイケルさんのレモン畑で収穫したレモンと、エドさんの新鮮なオリーブが搾油場に届きます。
新鮮檸檬オリーブオイルは、オリーブとレモンを同時圧搾する「アグロマット製法」で搾られます。
※テストのためレモンをカットして使用しました。
搾油機に2つの果実が次々と流れ込むと、華やかな香りが搾油場いっぱいに広がります。想像以上にジューシーでまるで生搾りジュースを搾っているかのようにも思えました。
新鮮な風味を保つため低温で撹拌する「コールドプレス製法」を経て、遠心分離機で水分を取り除き待つこと約40 分前後。 レモンの香りが溶け込んだ黄金色のオリーブオイルがようやく姿を現しました。
爽やかでみずみずしいレモンのいい香りがします。
搾ったオイルはすぐにボトリングして、エドさんの事務所へ。いくつかに分けたレモンとオリーブの比率違いのオイルをテイスティングし、ついに今年の新鮮檸檬オリーブオイルの味わいが決まりました。
例年に増して良い出来だと、井上、大坪も太鼓判を押します。
今回の試作オイルをもとに搾ったオイルは、鮮度を保つためにすぐさま空輸便で小豆島に運ばれます。そして遂に、搾りたての新鮮檸檬オリーブオイルが小豆島に到着しました!ようやくお客様のもとへお届けすることができます。
お手元に届いたらまずふたを開けてその香りをお楽しみください。私たちの新鮮檸檬オリーブオイルがお客様の毎日の食事にお役立ていただけることを心より願っております。