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品種や土地の気候、作り手の想いによって味を変えるオリーブオイル。ワインを飲むときのように、こだわりによって異なるオリーブオイルの味を、ぜひロマンを感じながら、語り合いながら多くの方に楽しんで味わって頂きたい。その想いで今年もスペインの提携農家ルケ家で搾った「アルベキーナ種」を持ち帰りました。
「アルベキーナ種」の起源
オリーブオイルの生産量世界一を誇るスペインの主な生産地は、南部に位置する「アンダルシア地方」と、北部に位置する「カタルーニャ地方」の2か所に分かれています。冬の低温と乾燥に見舞われる北部カタルーニャ地方を原産とするのが「アルベキーナ種」。
今から200年以上前のこと、北部アルベカという町に移り住んだ一人の侯爵が持ち込み、地元の農家が栽培したことで広まりました。
収獲した果実から搾るオリーブオイルは、苦み・辛味が少なく、南国フルーツのような爽やかな香りを持つ極上品だったことから人気となり、今ではスペインでも少し高い価格で販売される、大変人気の高いオイルのひとつです。
オリーブ6000年の歴史を想う「アルベキーナ種」のロマン
柔らかくフルーティな味わいとは裏腹に、数年に一度大寒波が訪れるスペイン北部の厳しい環境を生き抜く生命力を見せつけるかのように張り巡らせた枝葉。アルベキーナは原種に近い品種と言われ、原種こその生命力の強さ、たくましさをもっています。アルベキーナ種の果実は小指の先ほどの小さな果実を鈴なりに実らせます。
収穫期には重みで枝が垂れ下がるほどびっしりと実が付く、生命力旺盛な品種です。 オリーブ栽培の歴史6000年の間、現在まで残された「アルベキーナ種」にロマンを感じずにはいられません。
園主井上と「アルベキーナ種」との出会い
園主 井上が「アルベキーナ種」と出会ったのは今から21年前。旅先で崖の上に根付く姿を見たのがきっかけです。
「あれはアルベキーナという品種。オリーブの原種に近いと言われているんだ。」現地の農家に教えてもらい、搾りたてを試食させてもらったところ、感じたのは野性的な樹形からは想像できないほどまろやかで繊細な味。この「アルベキーナ種」を黒く完熟するまで待って搾れば、よりまろやかで甘い香りのするオイルが出来るに違いないと確信しました。
それから現地の提携農家ルケ家の協力を得ながら、オイルの味わいを大きく左右する果実の熟度を見極めてようやくたどり着いたのが井上誠耕園のエキストラヴァージンオリーブオイル「アルベキーナ種」です。
「甘い香り」を引き出す「熟度」へのこだわり
「アルベキーナ種」の特徴は何といっても「甘い香り」です。辛味や苦みが少なく、柔らかく繊細な味わいが特徴です。

ふたを開けて、まずはオリーブオイルを香ってみてください。まるでバナナやアーモンド、パッションフルーツなどの南国フルーツを感じさせるような「甘い香り」をお楽しみいただけます。「甘い」といっても、もちろん糖度があるわけではなく、口に含んだ時にまったりとした甘い香りが感じられます。

油とは思えないほど柔らかな井上誠耕園の「アルベキーナ種」にとって重要なのは収穫する果実の「熟度」です。
「アルベキーナ種」ならではの良さを引き出すためにあえて完熟した果実だけを搾っています。ところが「アルベキーナ種」は熟すと落果しやすく、樹上で真っ黒に熟すまで完熟させるのが難しい品種。提携農家のルケ家も最初は「無駄になる果実が増えてしまう」と渋い顔をしましたが、話し合い、知恵を出し合ってギリギリまで完熟させた果実だけを搾った、黄金色のオイルが完成しました。
アルベキーナの美味しさが最も感じられる食べ方
「アルベキーナ種」の柔らかく繊細な味わいをお楽しみいただくために、まずはバゲットにかけてお召し上がりください。
オリーブオイル特有の辛味や苦みが少ないからこそ、バゲットの香ばしい小麦の香りと、洗練されたオリーブオイル本来の風味がバランスよく合わさって、塩や香草もいらないほど味わい深い美味しさに。

ひとえに「アルベキーナ種」といっても、メーカーによっては「アルベキーナ種」の美味しさを活かして他の品種とブレンドすることで味を仕上げている物もあります。
井上誠耕園の「アルベキーナ種」は品種そのものの美味しさを味わっていただきたいと「単一品種」のみで搾っています。きりっとした辛みや苦みのあるオリーブオイルとは違う、やさしい果物のような風味。「アルベキーナ種」がオリーブオイルの奥深い世界を知って頂く良いきっかけになればと思います。
料理する食材の味を邪魔せず、バランスよく調和して美味しくしてくれる「アルベキーナ種」。
「チーズ」などの乳製品や、甘みのあるフルーツやトマトなどの野菜との相性が抜群です。夏の野菜やフルーツが旬を迎えている今、ぜひ一緒にお楽しみいただきたくて、おすすめの料理をご紹介します。
トウモロコシと楽しむ
今まさに旬を迎えている「トウモロコシ」。
加熱するとより一層甘みが強くなるトウモロコシと、とろっとまろやかなカマンベール入りチーズをバゲットに乗せて焼きあげると香ばしい香りが漂います。
これだけでも十分おいしいのですが、仕上げに「アルベキーナ種」をたらり。一口噛むとじゅわっとオイルが染み出て、トウモロコシと風味豊かな「アルベキーナ種」の香りが口いっぱいに広がります。できるだけトウモロコシはたっぷりと乗せるのがおすすめですよ◎
夏祭りの定番といえば「焼きトウモロコシ」ですよね。じつはご家庭のフライパンでも簡単に香ばしい焼きトウモロコシが作れます。少し焦げ目の付いた香ばしい味わいが「アルベキーナ種」と相性がいいんです!
薄皮のついたままのトウモロコシを丸ごと5分電子レンジで加熱。
1/3程度の長さに切って、さらに縦十字に4等分。
芯の部分につまようじを刺して油をひいたフライパンで焦げ目がつくまで焼きます。
仕上げに塩を振って「アルベキーナ種」をひとかけすると、お酒のおともにもぴったりなお手軽焼きトウモロコシの完成です。
スイカと楽しむ
夏のフルーツの代表格「スイカ」。水分豊富で夏のむくみ対策にもいいスイカですが、スイカ特有の甘みを料理に活かすのは至難の業。野菜としての一面も持つスイカの味わいを見事にまとめる「アルベキーナ種」を活かした冷製パスタをご紹介します。

種を取り除いたスイカと、トマトを一口大に切り、それぞれ塩を振っておきます。
表示通りに茹で、冷水でしめたカッペリーニ(お好みのパスタでも大丈夫です)にスイカ、トマトを汁ごと加え、レモン果汁、塩コショウで味を調えます。
器に盛り、バジル、生ハムを添えて仕上げに「アルベキーナ種」をかけて完成!

一口食べると夏らしいスイカの甘みが広がり、食べるほどに「アルベキーナ種」の豊かな香りと相まって、やみつきになるおいしさです。